主な皮膚疾患

小児皮膚科

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とびひ

とびひは、「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言い、黄色ブドウ球菌などの細菌が皮膚に感染することで発症する感染症のひとつです。 感染力が強く、患部をかきむしった手で他の部位を触ると、火事の飛び火のようにあっと言う間に症状が広がることから、「とびひ」と呼ばれています。

乳幼児に多い感染症ですが、アトピー性皮膚炎に罹患している方や、お子さんと触れ合う機会のある大人にも発症することがあります。

ウイルスいぼ

ウイルスいぼ(尋常性疣贅:じんじょうせいゆうぜい)はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により生じます。

感染は接触感染により、皮膚に微小なキズがあったときHPVが体内に侵入して皮膚の角化細胞に感染を生じます。HPVに感染した角化細胞は分裂速度が速まるため、その部分の表皮が肥厚していぼになります。

ウイルスいぼに対する最も一般的な治療法は、ー196℃の液体窒素をイボに当てて、凍結させて壊死させる液体窒素療法です。1回の治療でイボが治るわけではありません。特に多発性のイボや大型のイボの治療は繰り返し、根気よく続ける必要があります。 イボは治療に時間がかかりますが、あきらめないで定期的に治療を続けるようにしてください。

水いぼ

水いぼ(伝染性軟属腫:でんせんせいなんぞくしゅ)は、伝染性軟属腫ウイルスが表皮角化細胞へ感染することで生じます。皮膚にできるウイルス感染症で、主に子どもにみられます。

小児では体幹部(胸、腹、背部、股など)や四肢(腕や脚)に生じることが多く、様々な大きさの小丘疹(小さなブツブツ)が多発します。 治療法は、痛みをやわらげるテープを事前に貼ってからピンセットでつまんで取る方法や銀イオン配合クリームの外用などがあります。

あせも

あせもは汗疹(かんしん)と呼ばれる皮膚のトラブルで、汗をかきやすい夏場にお子さんによく見られます。赤ちゃんから思春期のお子さんまで、どの年齢でも起こる可能性があります。

あせもは、汗が毛穴に詰まってしまうことで発生します。子どもの毛穴は大人に比べて小さく、詰まりやすい特徴があります。汗が肌の表面に出られず、毛穴の周りに溜まると炎症が起こり、かゆみを伴う発疹ができてしまうのです。 かゆみやかゆみを伴う小さな水ぶくれやブツブツができるのが特徴です。

おむつかぶれ

おむつかぶれとは、おむつがあたる部分におきる皮膚炎のことです。おむつを長時間着用することで、おむつの中が蒸れたり、皮膚が尿・便に触れたりすることが刺激となって炎症を起こします。 おむつがあたる部分や、尿・便が触れていた部分にヒリヒリ感やかゆみを伴う赤み、ブツブツ・ただれなどの症状が出ます。

赤ちゃんの皮膚はデリケートで、刺激から守る「皮膚のバリア機能」も弱いため、季節を問わず遭遇しやすい皮膚トラブルです。

青あざ(異所性蒙古斑・太田母斑)

異所性蒙古斑や太田母斑は、いわゆる「青あざ」と呼ばれます。青あざは皮膚の深いところ(真皮)に色素細胞(メラノサイト)が集まって出来るアザで、生まれつき又は生まれて間もなく出来るものや思春期以降の大人になってから出来るものがあります。

生まれつきの青あざの代表が蒙古斑です。蒙古斑は生後1週から1ヶ月ころまでに、青いあざがお尻や腰にみられるもので、胎生期の真皮色素細胞(メラノサイト)の残存と考えられています。 日本人のほぼ全員にみられ誰でも知っている「あざ」のひとつです。5,6歳までに自然に消失し問題にならないことが多いです。まれに通常の部位以外に蒙古斑がみられ、これを異所性蒙古斑といいます。

思春期以降になってからできる青あざの代表が太田母斑です。太田母斑は目の周りや頬を中心とした片側顔面にできます。思春期以降の女性に多くみられますが、乳児期から濃くなっていくものや両側に出来るものもあります。自然に消退することはありません。

当院ではピコレーザーを使用していきます。治療回数については、色の濃さや母斑の範囲などによって個人差があります。