主な皮膚疾患

一般皮膚科

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アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、繰り返す慢性の湿疹と皮膚の乾燥が特徴的で、症状が良くなったり悪くなったりと繰り返しながら続く、強い痒みを伴う疾患です。 痒いため掻くとさらに悪化し、悪循環を招きますので、治療によって痒みを抑える必要があります。
喘息のほか、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎のある家系に出やすい傾向があり、また、ダニや食べ物などのアレルギーが起きやすいのも、アトピー性皮膚炎の特徴です。 治療にあたっては、日本皮膚科学会のガイドラインに基づいて保湿剤やステロイド外用剤を中心とした外用療法、抗アレルギー剤の内服療法、光線療法(ナローバンドUVB照射など)を行います。
重症の方では、 デュピルマブ(デュピクセント)、ネモリズマブ(ミチーガ)、レブリキズマブ(イブグリース)、トラロキヌマブ(アドトラーザ)などの生物学的製剤皮下注やウパダシチニブ(リンボック)、バリシチニブ(オルミエント)アブロシチニブ(サイバインコ)などのJAK阻害剤内服などの治療の選択肢が増えています。 従来の治療では治療効果の乏しかった多くの方も高い治療効果が期待できるようになっています。
かぶれ
皮膚に直接触れたものが原因となって起こる炎症や湿疹をかぶれ(接触性皮膚炎)と言います。自分で原因がわかっている場合と、原因とは気がつかないまま使用し続けている場合があります。 原因を特定する場合は、「パッチテスト」を行います。パッチテストとは、原因と思われる物質を皮膚に貼りつけて反応を見る検査です。原因物質がわかったら、その物質が含まれるものに接しないように気をつけることが大切です。
じんましん(蕁麻疹)

痒みの強い、蚊に刺されたような盛り上がった発疹が数分~24時間以内にできて消えていく皮膚疾患をじんましんと言い、4週間以内に治るものを急性じんましん、それ以上続くものを慢性じんましんと呼びます。 じんましんの原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々です。検査としては皮内反応(プリックテスト)やIgE RAST法などの血液検査を行います。しかし、慢性じんましんでは、原因が特定できないことが少なくありません。

治療は、抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤などの内服療法を中心に行います。従来の治療では治療効果の乏しい難治性な場合には、分子標的薬であるオマリズマブ(ゾレア)やデュピルマブ(デュピクセント)皮下注射も行っています。

にきび

にきびは顔にできやすいため、気にする人が多い疾患です。にきびの直接的な原因は、過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まり、面皰(めんぽう)という状態になります。この毛穴に溜まった皮脂を栄養源にして、にきびの元となるアクネ菌は増殖していき症状を悪化させます。

大人のにきびは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいのが特徴です。

思春期にきびは、成長期のホルモンバランスの急激な変化が原因で発症します。にきびのケアが不十分だと「にきび痕」が残ってしまうこともあります。 症状に合わせた外用剤・内服治療を行っています。過酸化ベンゾイルやアダパレンを成分とした、毛穴のつまりを改善するお薬は、使い続けることで効果を発揮します。

水虫・爪白癬

水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の一種が足の皮膚に入り込んで発症する疾患です。 白癬菌の増えやすい夏に症状の悪化がよく見られるのが特徴で、足白癬は趾間型、小水疱型、角質増殖型に分類されます。 水虫の診断は、角質または爪の一部を採取し顕微鏡で白癬菌を確認することが必要です。一見水虫のように見えても実は湿疹である場合も多く、自己判断で市販の水虫治療薬を外用し、かぶれをおこしてから受診される方もおられます。

白癬の治療では、白癬菌に効果のある抗真菌薬が使われます。抗真菌薬には外用薬と内服薬があり、感染した部位や症状によって使う薬を選択します。症状の軽い足白癬では外用薬のみで治療が行われ、その他の白癬では内服薬を併用して治療が行われることもあります。

尋常性乾癬

乾癬(かんせん)は、皮膚が赤くなって盛り上がり、銀白色のうろこ状のかさぶた(鱗屑:りんせつ)がつく慢性的な皮膚の病気です。乾癬にはさまざまな病型があり、症状やライフスタイルなどによって治療法が異なります。 個々様々で、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。発疹は主に慢性的かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などにできます。皮膚以外にも、爪の変形や関節炎を伴うこともあります(関節症性乾癬)。

乾癬の原因には不規則な生活やストレスなどの環境的な要因のほかに、遺伝的な要因があるとされています。しかしながら、乾癬の明確な原因は明らかになっていません。

治療は、外用剤(ステロイドや活性型ビタミンD3製剤外用や光線療法(ナーロバンドUVB照射)などが一般的です。従来の治療では治療効果の乏しかった多くの方も、 アプレミラスト(オテズラ)やデュークラバシチニブ(ソーティクツ)内服や多種類の生物学的製剤(TNF-α阻害剤、IL-17阻害剤、IL-23阻害剤)などの治療の選択肢が増えており、高い治療効果が期待できるようになっています。

円形脱毛症

円形脱毛症とは、髪の毛が円形や楕円形に抜けてしまう自己免疫疾患です。痛みや痒みなどの自覚症状はほとんどないため、気づかないうちに脱毛が進行していることもあります。

治療は、外用剤(ステロイド外用や局注)や光線療法(エキシマライト照射)などが一般的です。従来の治療では治療効果の乏しい重症の多発型、全頭型の円形脱毛症には、 JAK阻害剤であるバリシチニブ(オルミエント)やリトレシチニブ(リットフーロ)内服治療にて効果が期待できるようになっています。

AGA(男性型脱毛症)

詳細はこちら→「男性型薄毛(AGA)」

尋常性白斑

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)は、皮膚の一部が白くなる病気で、「しろなまず」とも呼ばれます。痛みや痒みはありませんが、まだら状に皮膚の色が抜けてしまうため、外観的な問題で悩まれる患者様が多い症状です。 原因ははっきりわかりませんが、自己免疫性疾患の一種ではないかと言われています。治療法は、光線療法(エキシマライト照射)、ステロイドやプロトピック、ビタミンD3などの外用療法を中心に行っています。

多汗症

多汗症とは、文字通り汗をたくさんかく病気です。 本来、汗をかくことは悪いことではありませんが、多汗症の場合は日常生活に影響を及ぼすこともあります。 また多汗症には、全身から多くの汗をかく『全身性多汗症』と、手のひらや足の裏など部分的に多くの汗をかく『局所的多汗症』があります。 発汗部位によって、抗コリン外用薬(腋窩、手掌)・塩化アルミニウム外用薬・ボツリヌス毒素局注療法(腋窩)・抗コリン薬内服治療などを行っています。

帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こる皮膚疾患です。体の片側の一定の神経支配にそって痛みを伴った細かい水ぶくれが帯状に生じます。 過去に罹った水ぼうそうの水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することによって発症します。ストレス、疲労、免疫力の低下などが誘因となり、潜伏していたウイルスが再び活動を始め、神経に沿って炎症を引き起こします。 診断、治療開始が遅くなるほど、帯状疱疹後疼痛という神経痛が長い間残ってしまうことがあります。

早期に皮膚科を受診して抗ウイルス薬内服や痛み止め内服などを開始することが大切です。当院では、帯状疱疹ワクチンでの予防接種(自費)を実施しています。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型というウイルスが原因で、唇やその周辺に小さな水ぶくれができる感染症です。治療は、抗ウイルス剤の内服と外用を行います。